SIerエンジニアとWebエンジニアの違いについて。

SIerエンジニアとWebエンジニアの違いについて。

 

プログラミングを学び始めた人、IT業界に興味を持ち始めた人にとってSIerってよくわからない単語ですよね。

私も新卒からSIerの会社で働き始めるまでわからなかったのですが、SIerにいるエンジニアとWeb系にいるエンジニアは同じエンジニアでも仕事の内容や意識が明確に違います。

今回はそんなSIerのエンジニアとWebエンジニアの違いを説明していきます。

 

SIerの業界構造

 

SIerがSIerたる所以はその業界構造になります。

業界での一般的な仕事の流れとして、ある一定の規模のメガバンクなどの会社が顧客となりシステム開発の依頼をNTT○ータや○士通、○BMなどの会社に発注します。

そうするとその依頼を受けた会社は一次請けとなり、顧客と要件を詰めると実際の実装や細かな設計を子会社や関連会社に外注します。これが二次請けとなり、さらにその会社がテストや実装など下流(作業レベルが低いという意味ではなくウォーターフォールとい開発手法の工程の分類の名前)の工程をさらに別の会社に外注します。

これがよく言われるSIer業界の多重下請け構造と呼ばれる業界構造となります。

 

労働者から見たSIerの特徴

 

この多重下請け構造がSIerエンジニアとWebエンジニアの違いを生み出しています。

一部の大手SIerに所属するSIerのエンジニアは顧客との折衝を行いシステムのプロジェクト管理や設計が主な仕事になるためプログラミングの経験は乏しく、エンジニアとは名乗っていますが予算管理やスケジュール管理などにアンテナをはる必要があり、技術職でもかなりビジネスよりの職種になります。

大手SIerのエンジニアの場合は、給料も良く上からの下請け構造の上位に位置するのでストレスも少ないように感じますが、自分でシステムを作れる開発力もなく営業ができたり事業を進めたりできる訳ではないという中途半端な立ち位置に悩む人も少なくないようです。

また、他方大手以外のSIerエンジニアは給与は決して高くなく、長時間労働を強いられることが多いようです。私の場合は、そこまで長い時間ということもなかったですが近くのプロジェクトでは月に150時間残業して、残業代なしなんてひどい現場もありました。

さらに仕事内容は映画やドラマで良くみるプログラマーのようなカッコイイ仕事ですらなく、設計書の誤字を修正したり、セルを結合させたりなどプログラムを触っている時間よりエクセルを触っている時間が多いです。

扱うシステムも大規模なものが多く、一つのバグも許されないため実績のある技術しか触らせてもらえず、SIerにいる時間が長ければ長いほど技術トレンドから置いていかれます。

そんなことを10年、20年続けている先輩方が突然技術力が高い訳もなく「アプリを作りたい!!」などの理由で入社した人には絶望が待っています。

 

Webエンジニアとの職場環境の違い

 

業界構造も違えば職場環境も当然違い、SIerの現場では基本的なOSはWindows固定でメモリ4GB程度。。夕方になるとパソコンが重くなるので、夕方に再起動するのが習慣化する。

 

自分の好きなエディタもインストールできず、厳しい現場によってはインターネットが使えない携帯を持ち込めないなどざらにあります。

現場では、クライアント指定の決められたツールしか使えないので、ツール導入によるテスト自動化やプロジェクト管理の効率化なんかも難しいです。。

バージョン管理なんかもWebとSIerでは大きく違い、Webではgitを使ってバージョン管理を行い自動スクリプトでデプロイも自動化することが主流です。

 

SIerの現場では、なぜかリリースのタイミングで配布する物件をまとめるという作業が毎回発生し、配布するソースをエクセルで管理して、一人が二、三日かけて配布する物件を圧縮するなんてことをやっていたりします。

 

SIerエンジニアとWebエンジニアどっちになりたい?

 

ここまで読んでいただいて、いかがでしたでしょうか? SIerエンジニアとWebエンジニアの違いについて伝わりましたでしょうか。

私自身もSIerで働いていた経験がありますが、もっとモノづくりに近いことをしたい、ユーザが見える状態で仕事をしたいというのがあったので独学で勉強しつつWebエンジニアになりました。

私自身SIerで新卒から3年間働いていました。SIerでの経験全てが無駄だったということはないのですが、働き始めの私に自分がアドバイスするとしたらいち早くWebエンジニアになるための勉強を始めて、転職しろと言いいます。

極端な話、新卒で働きはじめて1ヶ月でも会社をやめて、転職活動をしても良いと思っています。

やめた当初ややめる直前は会社から引き止められたり、周りにとやかく言われると思いますが、 「とりあえず三年」という根拠のない噂を信じてその後にWeb系に転職をするのと、 1ヶ月でやめて、転職活動をして転職して向かえる三年後を比べると圧倒的にWeb業界での市場価値も経験にも圧倒的な差が出ます。

この記事を読んでる方には「とりあえず三年」なんて言葉に迷わされず、三年後に自分がどうなっていたいかを考えて今何をするべきかということを考えた方が絶対良いです。

私自身の経験もこちらにまとめていますので、お読み頂けると参考になるかと思います。

文系プログラミング未経験者が3年かけてwebエンジニアになるまで

ここでは、少し極端な例えもしましたが、もしこの時点で「やっぱり、Web系のエンジニアになりたい!」という人は、3ヶ月、6ヶ月スパンでしっかり計画を立てて動き始めて頂けると良いかと思います。